好きだけど、必ず後悔するもの。
それは――
カップ焼きそば。
あの湯を注ぐ3分間。
人生で一番前向きになれる時間です。
「よし、今日はこれでいい」
いや、正確には
「今日はこれ“が”いい」。
フタを開けた瞬間のあの香り。
ソースを絡めた瞬間のあの艶。
カロリーという言葉を一時的に忘れさせる魔力。
食べている間、私は王様。
世界は平和。
腸も沈黙。
だが――
それは嵐の前の静けさ。
食後2時間。
腹の奥で始まるクーデター。
「ゴロ…」
無視。
「ゴロゴロ…」
冷や汗。
そして突然の
腹部・非常事態宣言。
さっきまで濃厚ソースに包まれていた私は、
今やトイレで膝を抱える敗北者。
腸が明らかに怒っている。
「油の量、理解してる?」
「麺の揚げ具合、分かってる?」
「紅しょうがでバランス取った気になるな」
完全に正論。
でもね、
それでも私は買うんです。
スーパーで目が合うと、
あいつは言うんです。
「どうせまた来るんだろ?」
はい、来ます。
学習能力?
ありません。
健康志向?
昨日までの話です。
幸せは3分。
後悔は全力疾走でやってくる。
それでも私は、
今日もお湯を沸かす。
だってあのソースの誘惑に
勝てる人類はいないから。
…少なくとも私は無理です。
