贅沢と失態と時代の波に飲まれる男

オーストラリア旅行の話をします。

実は私、オーストラリアに4回行っています。

新婚旅行。
友達との旅行。
そして「もう一回行っとく?」のノリ。

なかなかのリピーター。

新婚旅行では
ハミルトン島、
ゴールドコースト、
ケアンズを巡るという王道コース。

移動はリムジン。
帰りはファーストクラス。

若さとは怖い。
金銭感覚がバグっている。

「一生に一度だから」

この言葉は、財布の免罪符。

しかし、ハミルトン島で事件は起きました。

ビーチチェアの背もたれを、
私は何の疑いもなく倒しました。

その瞬間――

奥様の指、挟まる。

骨折。

南国の楽園で響く、悲鳴。

病院は行きませんでしたが

奥様には散々怒られました。 笑

そして人生初の本格シーフード。

ボールに水が入って出てきました。

「なるほど、カニをここに浸して食べるのか。さすが海外、合理的。」

私は誇らしげにカニを浸す。

店員さんの微妙な視線。

後で知る。

それ、手を洗う水。

私はずっとカニを“手洗い水ディップ”で食べていた。

海外では、分からない方が堂々としているとバレない。

その精神で乗り切りました。

ケアンズには3回行きました。

初めて行った頃のナイトマーケットは、
アボリジニーの方々が雑貨やTシャツを売っていて、
異国情緒たっぷり。

「海外に来たなぁ」と感じる時間。

しかし最後に訪れた時。

景色が変わっている。

マッサージ店、マッサージ店、またマッサージ店。

あれ?

ここは中国の繁華街?

私の知っているケアンズはどこへ。

世界は変わる。

観光地はビジネスになる。

文化は資本に飲み込まれる。

南国の空気より、商魂の匂いが強くなる。

最近思うのです。

どこへ行っても似たような街並み。

似たような看板。

似たようなチェーン店。

そのうち世界中が同じショッピングモールになるのではないか。

そして日本も――

なんて、壮大なことを考えながらも、

結局私はまた免税店で買い物をしている。

世界の変化を嘆きつつ、
しっかり経済に参加。

これが大人。

オーストラリアは楽しかった。

骨折も、手洗い水ディップも、
全部まとめて思い出。

そして学び。

ビーチチェアはゆっくり倒せ。
水はまず観察しろ。
世界は変わる。

財布も、世界も、私も。

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